窓ぎわの晴太くん



「ののちゃん、エクステとかやったことある?」



「エクステ?」



「そう、まつげのやつ」


里子は本当はエクステの事を全然知らなかったが、ちょっとだけ分かってるふりをした。
でも、やったことがあるかと言われたらやったことはない。


「いや、やったことはありません・・・」


晴太はもう一度里子の顔を覗きこんだ。


「ののちゃんの目ってさ、奥二重だよね?
たまに二重がでてくるじゃん。
それがめちゃくちゃ可愛い」


可愛いって・・・
里子の顔はこの上なく赤くなった。
まるで顔の上でたき火をしているように。


「ののちゃんのその目はエクステしたらもっと可愛くなると思うんだ。
まつげを少しだけ長くするだけで、大人っぽくなるよ」


里子は何も考えずに頷いた。
晴太さんがそう言うならエクステやります。


「僕の地元の友達がエクステの店をやってるんだけど、そこに行ってみる?
明日だったら僕も一緒に行けるけど」


里子は晴太が話し終わらないうちに大きく頷いていた。

エクステやります。
そのお店に行きます。
晴太さんが一緒に行ってくれるなら・・・



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