窓ぎわの晴太くん
里子は午前中に晴太が席を外した時、紙袋に入れたお弁当を晴太の机の下に置いた。
今日は、里子と晴太はお昼の休憩時間が一緒ではない。
里子はそのお弁当が入った紙袋を置いて戻ろうとした時に、晴太の机の上に見覚えのあるメモ紙を見つけた。
「あれ?」
里子は畳んで置いてあるそのメモ紙がとても気になったが、あまり深く考えずにその場を後にした。
その後里子が廊下に出ると、ちょうど晴太が部屋に入ろうとしているところだった。
里子は晴太の顔がまともに見れない。
ただキスをしただけなのに・・・
キス・・・
またしてもらいたい・・・
2回目ってあるんでしょうか?
晴太は里子のとろんとした目を笑いをこらえながら見ていた。
本当に分かりやすい。
こういう子は悪い人間にすぐに騙されるタイプだ。
俺か?
あのおばさん達は絶対にそう思ってるんだろう。
「あの、晴太さん・・・
お弁当、机の下に置いておきました」
「ありがとう」
里子は晴太が大きな口で食べる姿を想像して幸せな気持ちに浸っていた。
箸を持つ晴太の指先の美しさにうっとりしながら・・・