窓ぎわの晴太くん



「里子ちゃん、マジ美味い。

里子ちゃんにこんな最高な特技があるとは思わなかったよ」


里子はまた晴太とは違う涼の豪快な食べ方にも好感を持っていた。


「またおかわりしていい?」



「うん」


涼は3杯目のおかわりをしてくれた。
料理好きな人間にとってこんなにたくさん食べてもらえることほど幸せなことはない。


「うちの姉ちゃんなんかこんなの絶対作れないよ」



「涼さん、夏子さんと一緒に暮らしてるの?」



「そう。
早く一人暮らしがしたいんだけどさ、何せ大学院に進んでしまったんだな、これが」


里子は晴太の事を何も知らないが涼の事も知らなかった。


「大学院で何を学んでるの?」


涼は食べている手を休めじっと里子を見た。


「前、言ったじゃん」



「え? 聞いてないよ」


涼は小さくため息をついて、また食べ始めた。


「ロボット工学、専攻は人型ロボット」



「人型ロボット? ドラえもんみたいな?」


涼はもう一度箸を置いた。
そして里子を見ると、とても楽しそうに涼の答えを待っている。



「違う・・・
目指すは里子ちゃんロボット」










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