天狗の娘


傍らで、少年が小さく舌打ちをしたのを見て、彼はため息をついた。

「そんなに奴の言葉を守りたいかのぅ」

「だって!」

少年は噛みついた。

「あいつ、どういうつもりなんだよ!」

「分からぬのぉ。
しかし、ご女妻どのは、昔からお変わりない……」


彼は遠い目をして二人を見ていた。

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