手に入れる女

ビンゴ！


優香は心のなかで叫んだ。

圭太の写真には、佐藤と美智子が一緒に微笑んでいた。
スマホを見た途端、周りの景色がぐにゃりと歪んで、自分の心臓の音だけしか聞こえなかった。



佐藤と圭太が親子だったなんて……。

優香の頭は混乱していた。



ひどく長い間時が止まっていたようにも感じたが、多分、ほんの数秒だったのだと思う。
圭太に話しかける優香の口調は不自然なぐらい自然で、圭太は何も気づかなかった。

「へー、みんな仲良さそうだね。隣りにいるのがお母さん？」
「そう、それでこっちが妹」

「なんか、濃そうな家族だな～。お母さんはどんな人？」