白衣の王子様


「…もしかして、
朝野先生があの男の子?」


ここで運悪く料理が運ばれて来た。


笑顔で何も言わない朝野先生が


「いただきます。」


と食べ始めたので、
真白も食べ始めるのだった。


「おいしい〜!うさぎさん可愛い!!」

「だろ?藍原が喜ぶと思って
絶対連れてきたかったんだ。」


何でもお見通しのような朝野先生と、
昔の男の子がかぶって
どうしても意識してしまう。


「藍原、顔赤いけど大丈夫?
熱でもある?体調悪い?」

「大丈夫です。照明のせいですよ!」


上手く誤魔化せただろうか。
朝野先生にあの男の子が重なり
どうしても意識してしまう事を。
< 12 / 109 >

この作品をシェア

pagetop