白衣の王子様

「真白ちゃん〜おはよ〜!
ね、聞いた?
医事課の双葉さん、朝野先生に
すごいアピールしてるんだって!」


元気な声でしゃべりかけて来たのは
ベテランナースの原さんだ。

医事課の双葉さんとは男好きで有名な
双葉沙織(フタバサオリ)
年は私と一緒の23だったはず。


「さすが、双葉さん。
行動力が凄いですね…」

「でもね、朝野先生は全然相手にしてないらしいよ(笑)」

「えっ!?
双葉さんでも
相手にされない事ってあるんですね!」

「なんか昔から想ってる人がいるって!
キャー!イケメンなのに
一途なんて朝野先生やるわねぇ。」


ドキッ


それは誰…?
でもそんな事聞けない…。


でも何で今ドキッとしたの?
あの男の子と朝野先生は違うよ…


「真白ちゃん、
思い詰めた顔して大丈夫?
今日は忙しくなりそうだから
元気出していこーね!」


原さんの言葉でこの思いを
頭の隅においやり、
笑顔で返事を返した。
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