白衣の王子様


ピッ ピッ ピッ ピッ

目を覚ますと見慣れない天井。
頭にはアイスノンが巻いてあった。


「目覚めた?」


いつの間に出勤したのだろう
朝野先生に声をかけられる。


「ん…?あれ?ここは?」

「廊下で凄い音したからさ、
見に行ったら藍原が倒れてたんだよ。
で、ここに運んだ。
頭はタンコブだから大丈夫。
ここは仮眠室だよ。
病室のベッド一杯でさ
ごめんね。」


そういいながらモニターを外す朝野先生。



「でも何であんな所にいたの?
みんな心配してたよ。」

「それは…言えないです…」

「そっか、
救急救命科には俺から連絡いれとくから。落ち着いたら戻っておいで。」


フワッと頬を撫でられて朝野先生は出て行った。
< 19 / 109 >

この作品をシェア

pagetop