白衣の王子様

「相変わらず
朝野先生はモテモテね〜。」


咲の視線の先には
脳外科のナース達にかこまれた夏樹。

この前の交通事故の女の子の様子を見に行ったようだ。


「朝野先生、おはようございます。」


ショックな顔を隠しながら
咲と共に挨拶する。


「あ、杉山さん、藍原さんおはよう。」

「ちょうど良かった、一緒に行こう。」


脳外科のナースを振り切り、
夏樹が声をかけてくる。

後ろで凄い顔で睨んでいる
脳外科のナース達。


「あ、私ロッカーに忘れ物!
咲、朝野先生と先に行ってて!」

「はーい!気つけてねー!」


恥ずかしさと睨まれた事が怖くて
ロッカー近くの休憩室へ逃げ込む。


「何やってんだろ。
ナツくんは人気者だって
分かってた事なのに…」

「本当に何してんの?」


ドキッ


「ナツくん!?何でここに!?」

「真白が挙動不審だったから。
何で俺から逃げたの?」

「は、恥ずかしくて…」

「ふーん。
罰として真白からキスして。」
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