白衣の王子様
「お疲れ、藍原。」
「お疲れ様です。和田先輩。」
「気、落とすなよ。」
「はい…」
「ご家族呼んできます。」
その後の患者の家族は見ていられなかった。
これが救急救命。
一つの命と隣り合わせなんだ…。
オペ着から着替えていると
医事課の双葉さんとばったり。
「あなた、
朝野先生と付き合ってるんでしょ?
遊ばれてるわよ。
本命は私なんだから。
しかも、朝野先生アメリカに帰るのよ。
知らないの?
知らなくて何が付き合ってるよ。
笑っちゃうわね。
もう朝野先生に付きまとうのはやめて。
朝野先生も迷惑がってるわよ。」
一瞬何を言われたのか分からなかった。
ナツくんがアメリカに帰る…?
しかも私、遊びだったの…?
ナツくん…あれは全部ウソだったの?
私、迷惑がられてた…?