無神論者の願い
「母親が病気だって聞いたときも、父親が病気だって聞いたときも、毎日近所の神社に行って、『元気になりますように』ってお祈りをしてたんだ。それでも両親は...、僕が神を信じなくなった理由、わかったか?」


光は小さくうなづいた。


「つらかっ、たね、」


泣きながらそう言った彼女は、涙を拭いて、


「私、神沢くんに聞いてもらいたいことがあるの。話しても、いい?」


と僕に聞いた。僕がうなづくと、静かに語り始めた。
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