たすけて、みひろん!
思い切り転んじゃったし、両肘擦りむいたし、血が出てるかなと思ったけど、痛みはなくて。
「美乃ちゃん大丈夫?!」
慌てて駆け寄ってきた吉野さんに野菜を任せて肘を見てみるも、土がついてるだけで傷の一つもなかった。
すった瞬間は痛かったはずだから、少しだけ不思議だけど、怪我がないならなによりだ。
私が困ることを望んでいたのか、土を軽く払い野菜を受け取ってから後ろを向くと、そこには友梨さんが立っていて。
私に思い切り舌打ちしてからどこかへ去っていった。
私だけならまだしも、他に迷惑がかかるようなことはやめてもらいたい。
「吉野さん、荷物持ってるのに野菜もたせてごめんね」
そう謝ると、細い木の枝を片手に抱えながら大丈夫と笑っていた。
「私、結構力持ちだから、むしろ任せてください!」
元気よくそう言った吉野さんと並んで班のみんなのところに帰る。