たすけて、みひろん!



失礼だけど、本当に失礼かもしれないけど誰だか分からない。

多分、いつも吉野さんのマジックを側で見ている人の1人だと思う。

「えっと、おはようございます…?」

あまり話しかけられたことがないから、疑問系で挨拶し返す。

あまり、と言うかこの人と話すのは初めてかもしれない。


「あー、もしかしてあたしの名前覚えてない?瀬戸 優花だよ」

わざわざ名前を言ってくれた瀬戸さんは改めてよろしくと微笑んでくれた。

そうして私の隣に並ぶ。

水道から離れて部屋に帰るつもりの私をわざわざ引き止めて。

「…白雪さんって、みひろんと同じ部屋なんだよね?みひろんってまだ寝てる?」


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