たすけて、みひろん!



当たり前のように隣に並んだ城田くんは、私のペースに合わせて歩いてくれる。

というのも、私は小学校も中学校でも帰宅部で、なかなか運動をしていなかった。

高校でも帰宅部で、運動は苦手で体育も全然できなくて。

そのため体力が全然ないのである。

元気な先生や生徒たちはぐんぐん進んでいくけど、私は少しずつ遅くなっていく。

それでもまだ前にはついていけてるからいいんだけど。

「白雪さん大丈夫?荷物持とうか?」

息が切れ始めた私を見かねてか、城田くんはそう言ってくれた。

「大丈夫、荷物くらい自分で持つから」

そう言って断ると、ほんとに?と疑ってかかる。

大丈夫だと言い張ると、そっかと諦めて隣を歩いていた。


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