たすけて、みひろん!



話す人もいないし、なんだかツマラナイなと下を向く。

日に照らされたコンクリートが、時折光をはじき輝いてみせる。

道端の草が風に揺れるたびにカサカサと音を立てて。


…やっぱり1人でも悪くないかもしれないと、静川さんたちの荷物を持ち直して思った。

みんなでワイワイするのも確かに楽しいけれど、1人だと自然の音が聴ける。

…なんて、ただ1人が寂しいからって言い訳してるようにしか見えないんだけど。


また1つため息をついて足を速めようとしたその時だった。

私になんの恨みがあるのか、前に追いつこうと頑張ろうとするたびに、

「よっちゃん、もちろんだけど私達の前来ないでよ?」

エスパーなのか話しかけて邪魔してくる静川さん。


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