たすけて、みひろん!



前来るなって、越したいんだけどと睨みつけてみるけど、

静川さんはそんなの見ないふりして前を歩き始める。

そろそろ疲れたし荷物捨ててやろうかとすら思う。


少しだけ傾斜の急なところに来て、一気に体力を奪われていく。

前を向くと、吉野さんが瀬戸さんから離れてこちらへ来ていて。

それを見てからまた下を向いて前に少しだけ体重をかけていた時。


トンっと誰かにぶつかって、わざとらしく腕を振るわれて。

背中に背負っていた荷物のせいか、体が後ろへと傾いた。

静川さんの顔が見える、私にニヤリと笑いかける静川さんが。


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