たすけて、みひろん!
馬鹿にされたようでいらついて、なんとしても体制を立て直そうとしたけれど、
半分くらい倒れてからじゃあもう遅くて。
ヤバいと目をつむった瞬間に、痛みが走ったのは頭じゃなくておしりだった。
ドンッと思い切り尻もちをついてしまったらしく、ぶつけたおしりがズキズキ痛む。
完璧に落ちると思っていたから、尻もちで済んで拍子抜けした。
良かったと一息つくと同時に、前から吉野さんが駆け寄ってきた。
「美乃ちゃん大丈夫?落ちてない?怪我してない?」
アタフタしながらそう尋ねてくる吉野さんは私よりも動揺しているようだ。
「落ちてたらここにいないでしょ。怪我はないよ」
クスッと笑ってだから大丈夫と返すと、吉野さんはよかったと胸をなでおろした。