たすけて、みひろん!



そうして私が抱えている荷物を見て、目の前を歩いていた静川さんの方を向いた。

「静川さん、美乃ちゃんに荷物持ちさせてたでしょ?」

何やら静川さんを責め始めた吉野さんを横目に、さすがに荷物持ちに嫌気が差した私は荷物をほかる。

「だって、疲れたって言ったら白雪さんが持ってくれるって言ったから…」

言い訳、という名の嘘をつき始めた静川さんに、吉野さん越しに睨んでやる。


…そんなこと一言も言ってなしい言うわけがない。

ぽいっと3人の荷物を地面に置いた私は、

「そんなこと、言った覚えないんだけど」

そうハッキリと言って、静川さんに同意を求めるために首を傾げた。

そうだったかなと言葉を濁して簡単に認めはしない。


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