たすけて、みひろん!



結局そのまま城田くんに荷物をとられたまま広場について、一度クラスごとに並んでからお昼を食べるために広がる。

その時に城田くんと吉野さんにお礼を言って、班のみんなとご飯を食べることになった。

飯盒炊爨の時みたいに、みんなで輪になりワイワイ騒ぎながら食べる。

見ているだけでも楽しくて、なんだか心がポカポカとしてくる。


「あ、そういえば美乃ちゃんの服、前に私があげたやつじゃない?」

着てくれたの?と嬉しそうに聞いてくる吉野さんに、コクンと大きく頷いた。

「気に入ったから、似合わなくてもいいからと思って着てみたの」

そう答えると、吉野さんは目を細めて微笑んで、静かに首を振った。

「美乃ちゃんに似合うと思って買ったんだから、似合わないわけないよ」

えへへと満足げに笑った吉野さんは嬉しいなと私の腕に自分の腕をからませた。


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