たすけて、みひろん!



それに、翔也くんのお母さんが、翔也くんが暇してるから来てあげてなんて言うんだもの。

そんなの、来たくなるに決まってる。


「なんだって、なによ」

ベッドの横の椅子に腰掛けて、ふいっとそっぽを向いてやると、

いつも翔也くんはこう言うの。

「なんでもないよ。

来てくれたのが、美乃で良かった」

翔也くんの両親が来た時も同じようなことを言う。

私はその中で唯一、その言葉に込められた意味を知ってる。


“来たのが、アイツラじゃなくて良かった”

翔也くんも私と同じ。



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