たすけて、みひろん!



歩きながら、ポツリポツリとみひろんが話を始める。

「どこから話せばいいのか分からないけど、とりあえず、

魔法が使えます、それが秘密です」

黙っててごめんね、謝りながら話すみひろんに、別にいいけどと言っておく。


…魔法使えますなんて、迂闊には言えないでしょう。


みひろんの話によると、静川さん達は本当はキーホルダーを落していないらしく、

私の居場所については魔法を使って山の中から探ったらしい。

昼間のハイキングで落ちると思ったのに尻もちで済んだのもそのおかげ。

ただ、キーホルダーはとりあえず渡しておいた方が後が怖くないということで、

「ほら、見ててね?何もない手に…」

マジックを見せるときみたいなノリで、静川さん達が求めてるキーホルダーと全く同じものを手の上に出してみせた。


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