たすけて、みひろん!
人気者のクラスメートが魔法使いでしたなんて、簡単に信じるものじゃない気もするけれど、
そのおかけで助かったのは事実だ。
「やっぱり信じてないよね?美乃ちゃんには言っておこうと思ってたんだけど」
ふわぁとあくびをしながらそう言うみひろんと目を合わせる。
「…信じるよ。あと、ありがとう」
素直になれと言い聞かせてそう言うと、嬉しそうな笑顔を浮かべた。
「信じてくれてありがとう!あ、でもこのことは内緒にしといてくれる?」
手を合わせてお願いしてくるみひろんに、コクンと頷いた。
だんだんと施設の灯りが近付いてくる。
先生は外にはいないようで、こっそり帰ることもできそうだ。
バレて怒られるのは嫌だからと、みひろんの話を聞きながらも慎重に進んでいく。