たすけて、みひろん!
そうして放課後1時間文化祭の準備をする日々が続いたある日。
「ねえ、美乃ちゃん」
美術部の人が描いてくれた募金箱のデザインを参考に、募金箱の作製をしている時。
隣に座って手伝ってくれていたみひろんがふと私に声をかけてきた。
私は手を止めないまま、用件を尋ねる。
「あのさ、私が魔法をかけてあげるよ」
いきなりの一言に、思わずピタッと手を止めた。
どういうことと言いたげにみひろんを見ると、みひろんはニコリと笑いかけてくる。
「私が美乃ちゃんのこと可愛くしてあげる」
いつもみたいな明るい笑顔を浮かべながら、みひろんは私の手を握りそう言った。