たすけて、みひろん!



どういうこと?と首を傾げると、みひろんは得意げに笑ってみせる。

「可愛くなろうよ。

明日なら先生達の会議で午前授業だけ、放課後も居残りないでしょ?

だから、美容室行って前髪切って、それから可愛い服買おう」

ね?と言って私の顔を見たみひろんから目をそらす。

そんなのいい、と断ろうとした時に翔也くんの顔が思い浮かぶ。

いつも子供扱いしてきて、このままじゃあきっときっと恋愛対象には見てくれない。

少しでも可愛くなって変われば少しくらい見てくれるかな。

いつも彼が流す前髪をいじる。

翔也くんは、流した方がいいと、短い方が似合うといつも言っていた。


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