たすけて、みひろん!



だから短くしようかなと口には出していないのに、何を悟ったのか、

「前髪、短い方が似合うから。好きな人もそう言ってたんじゃない?」

みひろんはそう言うと、ニヤリと少しだけ怪しく笑ってみせた。

その言葉に頬が熱を帯びるのを感じた。

クスクスと楽しそうに笑いながら私をからかうみひろんは、いつものフワフワしたみひろんとは違っていて。

「変われるんだから変わろうよ、文化祭前だしちょうどいいじゃん」

ね、と同意を求めてくるみひろんに、仕方なくコクンと頷く。


変われるなら、変わりたい。


容姿だけじゃなくて、できるなら素直になりたい。

ほとんど無視してるからあれだけど、イジメだって全く傷付かないわけじゃないから。


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