たすけて、みひろん!



だけどみひろんは、いいじゃんと言いたげに笑うと、私の髪をいじり始めた。

いいのかなという不安が消えない。

可愛くなったというか、化粧で誤魔化しただけのような気がしてしまう。

でもみひろんは、“魔法をかけてあげる”と、“美乃ちゃんは化粧の魔法にかかりやすい人”だと言っていた。

みひろんにとってお化粧は、人を可愛くできる魔法なんだろうな。

そう思うと問い詰めるのも申し訳なくて、髪も整えられ可愛くなれた私をしばらく眺めていた。

それから少しして、6時近くになった頃、夕飯前には帰ると言い出したみひろんに、お母さんが夕飯を食べて行きなさいと誘った。

遠慮するみひろんに、夕飯用意してあるのかと聞くと用意してないと答えて。

それを聞いたお母さんが半強制的にみひろんを食卓に連れて行った。

「おねえちゃんのともだち?」

莉乃がそう聞くと、みひろんは嬉しそうに頷いた。

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