たすけて、みひろん!
夕飯を食べてから、少しだけ話してみひろんは帰っていった。
礼儀の正しいみひろんを、お母さんはすっかり気に入ったようで、またいつでもおいでと言っていた。
ふとした瞬間に思い出してしまう血の繋がりがないことに、少しだけ胸を痛めた。
でも全然痛くないと言い聞かせた。
みひろんは、何も書いていなかったノートに魔法のかけ方を教えてくれた。
そう、魔法のかけ方。
化粧の魔法を自分にかける方法を、なるべく詳しく分かりやすく。
前もって書いたわけじゃなくて、その場で書いていたわけじゃなくて、ノートだけ用意して魔法で書いた。
そこに書かれた綺麗な字は、間違いなくみひろんの字だった。