たすけて、みひろん!
見透かされている。
私がだいたい翔也くんに会いに来るのは何かあった時が多い。
…イジメのことは話してないけど、気付かれてるかもしれない。
まあ、今日は別に、何かあったというほどのことじゃないんだけど。
「…別に、なんでもないよ」
そう誤魔化せば、翔也くんはそこまで追求はしてこなくて。
適当な話をしているうちに、時間も4時を回っていて。
「あ、じゃあ、そろそろ帰る」
そう言い椅子から立って、手を振り病室を出る。
翔也くんも手を振って見送ってくれて、そんな笑顔を見ながら時々思う。
いつまで、思いを伝えられずにいるのかなって。