たすけて、みひろん!



憂鬱だとため息をこぼす。

翌日の朝も変わらず1人で登校して、人気者のあの子中心の教室内で本を読む。


「よっちゃん、私、機嫌悪くって」

聞いてくれる?と言いながら、後ろから私の首に腕を回したのは静川さん。

いつも通り、断われないように少しだけをしめていて。

「…聞きますから」

だから、とトントンと腕を軽くたたくと、スッと力を緩めた。

そんな時だった。


「ねえ、みひろんってウザくない?」

すぐ近くから聞こえた声。

声の主たちはいつも吉野さんの近くにいる人たちで。

「ああいうのが、本当にウザくって」

と私に囁きにやっと笑った静川さんに、あなたも同じだと言いたくなった。


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