たすけて、みひろん!



だからどうしたと言いたげな目を向ける。

静川さんは私をからかうように怖い怖いなんて言うと、また笑って。

「一コ上の先輩、古川 翔也…だっけ?

高校入学してから全然来てないって有名なんだよね。

運動が全然できない奴だからからかったら学校来なくなったって知り合いが騒いでた」

クスクスと笑みを零しながらそんなことを言うから、イラッとしてしまった。

小馬鹿にするような言い方。

その言葉だけでも、静川さんと、その知り合いさんが翔也くんを馬鹿にしていることがよく分かった。

「あんたとお似合いだわ」

羨むような意味じゃなくて、馬鹿にした、嘲笑うようなその言葉に、ギロリと睨みつける。

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