たすけて、みひろん!
反論する私に、静川さんはだからどうしたのかと鼻で笑う。
私達の言い合いに、クラスが騒がしくなっていく気がした。
けれどそんなことも気に留めずに、私は静川さんを睨みつける。
「ずっと、ずっと必死になって闘ってる翔也くんのこと、馬鹿にしないでください。
人のこと、そうやって馬鹿にしかできないような、静川さんみたいな…クズとは違うんです」
言ってしまったあと、スッキリしたけれど少しモヤモヤした。
言ってしまった、という若干の後悔。
静川さんにクズなんて言って、どうなるかなんて分かりきっているはずなのに。
…ああでも、静川さんに何かされるよりもずっと、翔也くんを馬鹿にされるのが嫌だったんだ。