たすけて、みひろん!
なんて、他の人に呼び出されてるから安心ではないんだけど。
いつもみたいに人気者の吉野さんが、ちらりとこちらを見る。
私はそんなの気付いていないフリをして本を読んでいた。
周りの人たちは私のことなど気にかけないように吉野さんに話しかけているみたいで。
コソコソという話し声、悪口の矛先が私へと向いた。
どうしようもなくてまたため息をつく。
どうせ、幸せなんて逃げないから。
紙を開くと放課後の呼び出し。
女子トイレなんてもろイジメますってところに呼び出すなんて馬鹿じゃないの、と言いたいところだけど、
静川さんじゃないし、1回目くらいは行くことにした。
違う、行ってあげることにした。