たすけて、みひろん!



それから、みひろんは食べる手を一旦とめて、砂糖やミルクをたっぷり入れた珈琲を一口飲むと、

サイダーを口に含んだ私をジッと見てから、私の隣へと移動した。

そうして両手を広げると、私にニコリと微笑みかける。

「記憶、コピーするからおいで」

恐らく、というか絶対、抱きついてこいということだろう。

両手を広げて来るようにアピールしているみひろんに、思わず目をそらす。

「…恥ずかしいんだけど」

何が、とは言わずにそう呟くと、みひろんは仕方がないなあと言いながら私の手を引き抱きしめてきた。

温かくて、落ち着いた。

みひろんの鼓動が聞こえてくるから、生きていることを酷く実感させられた。

…生きていることを?今更?何故?

分からなかった。

みひろんに抱きしめられて流れてくる暖かくも切ない感情。

何か死に直面した記憶があった上で成り立つような、生きていることへの苦しみ。

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