たすけて、みひろん!
でもそれよりも、こういうあり得ない出来事に驚かなくなった自分にも驚いた。
みひろんと一緒にいて、少しの驚きにも耐性がついてきたみたいだ。
多分、話しかけに行ったら静川さんに何か言われると分かっていたのだろう。
わざわざこんな形で知らせてくれるとは、なんともみひろんらしいというか。
クスッと笑みをこぼすと、ふと目の前に誰かが座った。
パッと顔を上げると、それは城田くんで。
前の人はまだ登校してきてないからと、堂々と席を借りる城田くんに思わず笑みがこぼれた。
「白雪さん?大丈夫?なんか今、静川と話してたみたいだけど」
いきなりそんなことを聞いてくる城田くんに首を傾げた。
…野外学習の時、目に見えて私をイジメたのは友梨さん達だけだ。
静川さんとのことはみひろんだけが知っているはずだった。
すると城田くんはああ、と小さか呟いてから、
「昨日、静川と白雪さんが言い合いしてるところを偶然見かけた人がいてさ、話はだいたい聞かせてもらったんだよ」
と訳を説明してくれた。