たすけて、みひろん!



私は1人だった。

だけど1人でも大丈夫だと、イジメられてもからかわれても平気だと思ってた。

本当はたすけてって言いたかったのに、言えずにいた。

でももう、1人じゃないんだね。

みひろんも城田くんも、私がたすけてと言ったらきっと助けてくれるのでしょう?


放課後、みひろんは魔法で私のノートに「ごめんね」の文字を残して教室から出た。

初めは意味が分からなくて焦ったけど、静川さんたちに取り囲まれた瞬間に悟った。

「今日は逃げなかったのね。いつもいつも逃げて生意気だったけど、やっと観念してくれた?」

クスクスと笑いながら私の髪をつかむ静川さん。

多分あのごめんねは、作戦のために少しばかり暴力をふるわれるけど…という意味が込められたものだ。

多分、だけど。

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