たすけて、みひろん!



ただ、言い返せばめちゃくちゃな反論をするくせに、黙ってるのも癪に障るみたいで。

「黙ってんじゃねーよ」

ドンッと突き飛ばされて尻もちをつく。

痛いなあと立ち上がろうとすると、その前に三つ編みの片方を掴まれた。


…三つ編み、とことん地味子だな、私。

そんな関係ないことを考えながら、すぐ近くにある顔を見つめた。


「みひろん、結構あんたのこと気に入ってるみたいだけど、

みひろんの隣はあんたには似合わねえよ」

ぐいっと髪を引っ張られたところがズキズキと痛む。

「あ、でもいい引き立て役かもね」

誰かの一言に賛同するみんなの声と、笑い声が重なり響く。


< 24 / 284 >

この作品をシェア

pagetop