たすけて、みひろん!



「お前何言ってんの?痛かったら痛いっていうのは普通だろ?」

そんなのもわからねえのかと馬鹿にする先輩方。

リーダー格の人の言葉に、周りがニヤニヤと私を嘲笑っている。

そんな先輩方にも屈せずに、私は強く睨みつけて、

「翔也くんは、言いませんよ」

ふと、優しい声でそう呟いた。

その言葉に、はぁ?と首を傾げる先輩方と、コソコソと話すギャラリーたち。

それをすべて無視して、私は少しだけ下を向いて続けた。

「検査も治療も、痛いことだらけのはずなのに、翔也くんは「大丈夫」って笑うんですよ。

どんなに辛くても「心配しないで」って笑うんです。

痛いなら、辛いならそう言えばいいのに言わないんです、イジメられてるときからずっと!」

強く、強く主犯のやつに言い返す。

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