たすけて、みひろん!
目を見開いて驚いた主犯は、罰が悪そうな顔をして私から目をそらす。
「辛いっていう私を、自分のが辛いくせに慰めてくれるんですよ。
自分よりも人のことを気にしてくれる翔也くんが、自分のことばかりのあなたたちより弱いはずがないでしょう!」
言い終わったあとは、知らぬ間に緊張していたのか息が切れた。
でも、怖いけれど言ってしまえたことにすごくスッキリとした。
主犯のやつは何も言わないまま、下を向いてしまっている。
周りの人たちは、なんだお前と今にも突っかかってきそうだ。
だけどそんな中、主犯の人が何か言い出す前に、背の高い女子の先輩が、
「お前の負けだよ。ほら、さっさと散った散った」
主犯の人にそう言って、冷たい顔でしっしとそいつらを追い払った。
一つ上の先輩、振り返ったその人はすごい美人さんで、でも少し冷たい目をしていた。