たすけて、みひろん!
通り抜ける風はどことなく暖かかった。
「美乃ちゃんは、私の大切な親友だよ」
その言葉が嬉しくて、胸がドキドキと高鳴る気がした。
誰かに大切に思われていることが、心をポカポカと温めてくれる。
「期限が来ない限りずっと、美乃ちゃんの側にいるから」
少しだけ違和感を感じたけれど、それより側にいるという言葉が嬉しかった。
これからだけじゃない、今までもずっと1番大切なときに側にいてくれた。
辛いときに私をすぐ助けてくれた。
暗闇にも動じず、困る私に手を差し伸べてくれる光だった。
みひろんは、いつも私の側にいてくれた。
それなら、私も。
「私も、みひろんの側にいるから」
自然と握られた手から温かな温もりが伝わってくる。
私の言葉にみひろんはとても嬉しそうに微笑んでくれた。
私の言葉で幸せそうにするみひろんに、私までなんだか幸せになってきて。
結局、授業が始まるまで2人でそうしていたから、5時間目に遅れて先生には怒られてしまった。