たすけて、みひろん!
いきなり仲良くなりたいなんて言われて頬が熱を帯びるのを感じていると、次っと吉野さんが私に振る。
「えっと、白雪 美乃です、帰宅部です。
仲が良い人…えっと…」
いませんっとハッキリ言うのが少し辛くて言葉を濁していると、つんつんと腕をつつかれる。
隣を見ると吉野さんが自分を指さして必死にアピールしていて。
「………、いません。
野外活動は平和に過ごせれば十分です」
見なかったフリをして話を進めた。
私に仲が良いと言ってもらえなかったのがショックなのか、ぐでっと机に突っ伏した吉野さん。
もし、そうなら嬉しいな、なんて考えても口に出そうとしないから、だから私はいつまで経ってもダメなんだ。