たすけて、みひろん!
いつの間にかまた囲まれてしまった吉野さんを横目に、
「あ、お礼…」
言ったほうがいいかなと迷って焦る。
前の時はお礼を言わなかったから、今回くらい言ったほうがいいかなと思ったけれど、
気付けば吉野さんの周りには私の入る隙はなくなっていて、周りに流され帰ってしまった。
「白雪さん、大丈夫だった?」
へらっとして話しかけてきた城田くんには、
「ああ、うん。ありがとう」
そうちゃんとお礼を言っておいた。
…吉野さんには、明日改めてお礼を言っておこう。
自分から話しかけるのって難易度高いけどきっと大丈夫。
そう思いながら、静川さんの目を盗んで教室から出た。
今日の呼び出しもいつも通りシカトさせてもらうことにした。