たすけて、みひろん!
時間には間に合うように家を出る。
薄手の上着いらなかったかなと思ったけれど、気にせず自転車を漕いだ。
今の季節にはあまり似合わない、桜色のワンピースが風に揺れる。
髪を上の方に結んでしまったからか、首の後ろをかすめてくすぐったい。
集合時間の5分前に時計の下。
時間より前に来たためか、吉野さんはまだいなかった。
駅前じゃなくて公園を集合場所にしたところからして、この辺に住んでいるだろうから大幅に遅れることはないだろうけど。
予想通り、集合時間ギリギリに自転車で走ってきた。
「美乃ちゃん早いね〜」
息を切らしながら来た吉野さんの私服は、初めて見たけど可愛らしかった。