たすけて、みひろん!



いきおいよく振り下ろされたからか、足に鋭くも鈍い痛みが走った。

「しかも金曜日も逃げちゃってさ、私が人前ではよっちゃんのこと捕まえないって知ってるからって、最近調子乗りすぎだって」

突き立てたシャーペンを、肉をえぐるようにグリグリと力を込める。

最近呼び出しを無視しすぎたせいか、顔には出さないけど静川さんは相当ご立腹だ。


イジメられ始めた頃は、毎回毎回呼び出しに応じては殴られたり蹴られたりしていた。

だけど、静川さんが人前で私をイジメたりしないことに気付いてからはたまにしか応じてない。

無視したところで報復とかないし。

ただ、そのせいか静川さんもそれなりのことを考えているようで。

「あのさあ、忘れてるかもしれないんだけど、野外活動の部屋割、私達と一緒なんだよ?

女子を3組に分けたら、私達5人と吉野さんとあんたになったじゃん」

あー、そういえば、と思い出す。

なんでか分からないけど静川さんたちと同じに部屋になったんだった。


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