紅蓮の姫君
「陛下、侵入されました!!!相手は魔界の者たちです!!!!!!」
既に攻撃されたのか、どこからともなく現れた騎士は肩から血を流していた。
アスランの表情が凍りつく。
「ありえない……まさか……」
ドォン!!!!!!
アスランの言葉を遮るように目の前で爆発がおこる。
その衝撃にアリアは螺旋を描くように後ろに倒れた。
巻き起こる煙の中現れたのは一人の男だった。
黒い髪は肩につくかつかないかの長さで、赤い瞳を怪しげに光らせている。
まるで鮮血のような瞳はアスランを捉えてから、アリアを捉えると、ニヤリと微笑んだ。
「貴様…………ッ!!!」
「死んだかと、思った?」
アスランと男のやり取りに、二人は知り合いなんだと察する。
アリアは重たい体を動かそうとするも、何かに縛られたかのように床にへばりついたまま離れることができなかった。
「アリア…!!」
アスランは力を振り絞ってその手をアリアにかざすと、なにやら呪文を唱え始めた。
「国王陛下は随分とタフなんだな…?」
男は面白おかしく笑うとアリアを見てつぶやいた。
「久しぶりだね。アリア=セシオネル=コーネリア。」
「………………は?」