ピーク・エンド・ラバーズ

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「西本さんは、お酒飲まない感じ?」


暖色系の照明が、夜の居酒屋の雰囲気を手助けしていた。
向かいに座るケースケくんの問いに頷いて、私はウーロン茶を一口含む。


「まだ十八だし」

「やっぱ真面目だなー。一年でもバカみたいに飲んでバカみたいに酔っぱらってる奴いんのに」


ほら、と彼が目線だけ寄越した先には、言葉通り既に出来上がっている男子がちらほら。本当に、バカだと思う。

今日はサークルの飲み会だった。新歓はバイトの都合で参加できなかったから、これが初めての交流の場である。
先輩たちは思いのほか穏やかな人が多くて、なんというか、変にがつがつもしていない。

もちろん飲み会の場でお酒を強要するなんてこともなく。だから、千鳥足で意味不明なダンスを踊っているバカな一年生たちは、盛り上がって自分の意思で飲んだのだろう。


「加夏ってハタチになるまで一滴も飲まなさそうだよねー。親のビール一口もらって『まっず』ってやる恒例行事も通過しなさそう」


隣で好き勝手言っている芽依に苦笑しつつも、彼女の論評は間違っていない。
わざわざ飲もうとも思わないし、飲むつもりもなかった。こうして飲み会の場に来て、お酒でへらへらしている人を見てしまうとなおさらだ。


「えーっ、飲みすぎじゃない? 大丈夫?」

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