ピーク・エンド・ラバーズ
*
汗をタオルで拭いながら座り込む。ドリブルの振動が床から伝わって、それが心地良い。
週に一度のサークル。軽くゲームをしただけで疲労困憊な私とは対照的に、男子たちはまだまだ体力が有り余っているようで、今もボールを奪い合いながら走り回っていた。
バスケサークルに入ろうと思ったのは、完全に津山くんの影響だった。
もともと大学から何か新しいことを始めたいとは思っていたけれど、彼が「一緒にやろうよ」と誘ってくれたのが大きな要因である。男女混合で和やかに活動できるというのが、決め手ではあったけども。
「あいつ、今日も来なかったなー」
「てか講義でもあんまり見かけなくね? 俺同じやつ結構取ってるけど、先週から全然来てねえわ」
壁際でだらりとしゃがみ込み、水分補給の傍ら、同期の男子がぼやいている。
あいつ、というのは津山くんのことだ。先週のサークルに来なかった時は別段気にはしていなかったけれど、二週連続で休まれると、私に会わないようにしているんだろうか、と考えてしまう。
それに、講義にも行っていないとはどういうことだろう。
津山くんは高校の時こそ勤勉とは言い難かったけれど、ここへ入るには物凄く勉強したはずだ。そこまでして受かったのに、遊び呆けているとも考えにくい。
汗をタオルで拭いながら座り込む。ドリブルの振動が床から伝わって、それが心地良い。
週に一度のサークル。軽くゲームをしただけで疲労困憊な私とは対照的に、男子たちはまだまだ体力が有り余っているようで、今もボールを奪い合いながら走り回っていた。
バスケサークルに入ろうと思ったのは、完全に津山くんの影響だった。
もともと大学から何か新しいことを始めたいとは思っていたけれど、彼が「一緒にやろうよ」と誘ってくれたのが大きな要因である。男女混合で和やかに活動できるというのが、決め手ではあったけども。
「あいつ、今日も来なかったなー」
「てか講義でもあんまり見かけなくね? 俺同じやつ結構取ってるけど、先週から全然来てねえわ」
壁際でだらりとしゃがみ込み、水分補給の傍ら、同期の男子がぼやいている。
あいつ、というのは津山くんのことだ。先週のサークルに来なかった時は別段気にはしていなかったけれど、二週連続で休まれると、私に会わないようにしているんだろうか、と考えてしまう。
それに、講義にも行っていないとはどういうことだろう。
津山くんは高校の時こそ勤勉とは言い難かったけれど、ここへ入るには物凄く勉強したはずだ。そこまでして受かったのに、遊び呆けているとも考えにくい。