ピーク・エンド・ラバーズ
*
「西本って永北大だっけ?」
同窓会も後半といったところだった。
最後にデザートを食べておこう、と立ち上がって、胃のキャパシティを考えていた時、唐突に横から声を掛けられる。
あからさまに私が驚いてしまったからか、彼は「ごめん急に」と苦笑していた。
「ああ、いや……大丈夫。うん、永北だよ」
受け答えながら、必死に相手の名前を思い出す。確か、北――ああ、そうだ。北川くんだ。
高校一年生の時に同じクラスになったのだけれど、それ以降は特に関わりもなかったので脳内から消えかけていた。
「やっぱそうだよな。あのさ、井田って分かる? 井田啓介」
「あー……ケースケくん? 同じサークルだよ。バスケサークル」
ここでその名前が出てくるのは想定外だった。
聞けば北川くんとケースケくんは中学校が同じだったそうで、バスケ部で切磋琢磨し合った仲だったとか。
「そっか。あいつバスケ続けてんだな」
「ケースケくんから何も聞いてないの?」
「んー……いや、実は中学卒業した辺りから全然連絡とってなくてさ。俺、高校入ってバスケやめたし、何となく一方的に連絡しづらいっていうか」
「西本って永北大だっけ?」
同窓会も後半といったところだった。
最後にデザートを食べておこう、と立ち上がって、胃のキャパシティを考えていた時、唐突に横から声を掛けられる。
あからさまに私が驚いてしまったからか、彼は「ごめん急に」と苦笑していた。
「ああ、いや……大丈夫。うん、永北だよ」
受け答えながら、必死に相手の名前を思い出す。確か、北――ああ、そうだ。北川くんだ。
高校一年生の時に同じクラスになったのだけれど、それ以降は特に関わりもなかったので脳内から消えかけていた。
「やっぱそうだよな。あのさ、井田って分かる? 井田啓介」
「あー……ケースケくん? 同じサークルだよ。バスケサークル」
ここでその名前が出てくるのは想定外だった。
聞けば北川くんとケースケくんは中学校が同じだったそうで、バスケ部で切磋琢磨し合った仲だったとか。
「そっか。あいつバスケ続けてんだな」
「ケースケくんから何も聞いてないの?」
「んー……いや、実は中学卒業した辺りから全然連絡とってなくてさ。俺、高校入ってバスケやめたし、何となく一方的に連絡しづらいっていうか」