ピーク・エンド・ラバーズ
*
「あー、パパ、起きた!」
元気な声が上がった。眼前に広がっていたのは、満面の笑み。もちもちの頬にえくぼができている。
「ママ! パパ起きたよー!」
「ほんと? ありがとう那月」
俺の上に跨っていたらしい。まだ六歳とはいえ、最近ぐんぐんと成長しつつある男子小学生だ。那月が飛び退いたと同時、思わず「うっ」と声が漏れる。
「パパ、早く! 今日は公園一緒に行くって言ってた!」
ゆっくり上半身を起こしていると、那月が急かしてくる。
「あー……そうだった、うん、そうだったよなー……」
先週、確かに約束した覚えがある。
俺が昔バスケをやっていた、ということを知った那月が、やりたいと言い始めたのだ。
のそのそとベッドから降りようと試みて、頭痛に顔をしかめる。
実は昨日、会社の飲み会があった。体質的にアルコールを受け付けないのは相変わらずなのだけれど、昨日はどうしても断り切れずに、本当に少しだけ飲んだのだ。
「……パパ、痛いの?」
「ん? ああ、大丈夫。いま準備するから待ってなー」
那月の頭をわしわしと撫でる。そのまま立ち上がろうとした刹那、
「那月ー、今日はママと公園行くよ」
「あー、パパ、起きた!」
元気な声が上がった。眼前に広がっていたのは、満面の笑み。もちもちの頬にえくぼができている。
「ママ! パパ起きたよー!」
「ほんと? ありがとう那月」
俺の上に跨っていたらしい。まだ六歳とはいえ、最近ぐんぐんと成長しつつある男子小学生だ。那月が飛び退いたと同時、思わず「うっ」と声が漏れる。
「パパ、早く! 今日は公園一緒に行くって言ってた!」
ゆっくり上半身を起こしていると、那月が急かしてくる。
「あー……そうだった、うん、そうだったよなー……」
先週、確かに約束した覚えがある。
俺が昔バスケをやっていた、ということを知った那月が、やりたいと言い始めたのだ。
のそのそとベッドから降りようと試みて、頭痛に顔をしかめる。
実は昨日、会社の飲み会があった。体質的にアルコールを受け付けないのは相変わらずなのだけれど、昨日はどうしても断り切れずに、本当に少しだけ飲んだのだ。
「……パパ、痛いの?」
「ん? ああ、大丈夫。いま準備するから待ってなー」
那月の頭をわしわしと撫でる。そのまま立ち上がろうとした刹那、
「那月ー、今日はママと公園行くよ」