ピーク・エンド・ラバーズ
*
学校が終わってバスに乗る。駅に着くまでの間、スマートフォンは頻繁に震えていた。
『西本さん、もう学校出た?』
『今どのあたり?』
『あと何分くらいで着きそう?』
『着いたら教えて』
バスを降りる直前に確認したら、津山くんからメッセージが大量に届いていた。いや、もちろんそれは分かっていたのだけれど、面倒で放置していたのだ。
もうそろそろ着くよ、と返せば、即座に既読になる。またメッセージが来そうなところでアプリを終了し、席から立ち上がった。
今日は終業式もとい、クリスマスイブ。
津山くんと出掛けることに了承したはいいものの、相変わらず知り合いに見つかるのだけは避けたかった。学校から一緒に帰るだなんてもってのほか。待ち合わせは街中より少し手前の駅だ。
津山くんは既に駅のコンコースにいるということだったので、中に潜って彼の姿を探す。
カップルが腕を組んで歩いていくのを何度か見送った。今日は人が多くて大変だ。
仕方なくスマホを取り出し、電話を掛ける。彼はワンコールで出た。
「西本さん? 良かった、やっと連絡取れた……今どこ?」
「ええと、コンコースだよ。津山くんがそっちにいるっていうから」
「メッセージ見てない? もう俺移動しちゃって……あ、いやそっち行くね。待ってて」
学校が終わってバスに乗る。駅に着くまでの間、スマートフォンは頻繁に震えていた。
『西本さん、もう学校出た?』
『今どのあたり?』
『あと何分くらいで着きそう?』
『着いたら教えて』
バスを降りる直前に確認したら、津山くんからメッセージが大量に届いていた。いや、もちろんそれは分かっていたのだけれど、面倒で放置していたのだ。
もうそろそろ着くよ、と返せば、即座に既読になる。またメッセージが来そうなところでアプリを終了し、席から立ち上がった。
今日は終業式もとい、クリスマスイブ。
津山くんと出掛けることに了承したはいいものの、相変わらず知り合いに見つかるのだけは避けたかった。学校から一緒に帰るだなんてもってのほか。待ち合わせは街中より少し手前の駅だ。
津山くんは既に駅のコンコースにいるということだったので、中に潜って彼の姿を探す。
カップルが腕を組んで歩いていくのを何度か見送った。今日は人が多くて大変だ。
仕方なくスマホを取り出し、電話を掛ける。彼はワンコールで出た。
「西本さん? 良かった、やっと連絡取れた……今どこ?」
「ええと、コンコースだよ。津山くんがそっちにいるっていうから」
「メッセージ見てない? もう俺移動しちゃって……あ、いやそっち行くね。待ってて」