ピーク・エンド・ラバーズ
*
「つまりここに形容詞を入れることによって、『the percentage』から『question』までが主語になる。となると……」
六時間目の英語の授業が終わろうとしていた。
文章問題の解説を聞いていると、それまでつらつらと話していた森先生が突然、顔を上げる。
「津山ぁ! お前、また寝てるな!?」
途端、教室内でどっと笑いが起こった。森先生の授業で彼が脱落するのは、もはや日常茶飯事である。
ああ、これはまた津山くんに答えさせて、結局長引くやつだ。そう思い、少々げんなりしていた時だった。
「……すいません」
教室の奥から聞こえたのは弱々しい謝罪で、以前のように、先生に対しても舐め腐った口調でおちゃらける彼の声はない。
「あー……顔色悪いな、お前。大丈夫か」
森先生が言うなり、みんな振り返る。
私も恐る恐る彼の方に視線を向けると、確かに。津山くんは元から白い方だけれど、今は更に顔が真っ白だった。
そのせいもあってか、授業は少し早めに切り上げられて、そのまま帰りのホームルームになった。
いつもは羊と一緒に帰るのだけれど、今日は委員会がある日だから、私は先に帰る。
「カナちゃん、明日ね」
「うん。ばいばい」
「つまりここに形容詞を入れることによって、『the percentage』から『question』までが主語になる。となると……」
六時間目の英語の授業が終わろうとしていた。
文章問題の解説を聞いていると、それまでつらつらと話していた森先生が突然、顔を上げる。
「津山ぁ! お前、また寝てるな!?」
途端、教室内でどっと笑いが起こった。森先生の授業で彼が脱落するのは、もはや日常茶飯事である。
ああ、これはまた津山くんに答えさせて、結局長引くやつだ。そう思い、少々げんなりしていた時だった。
「……すいません」
教室の奥から聞こえたのは弱々しい謝罪で、以前のように、先生に対しても舐め腐った口調でおちゃらける彼の声はない。
「あー……顔色悪いな、お前。大丈夫か」
森先生が言うなり、みんな振り返る。
私も恐る恐る彼の方に視線を向けると、確かに。津山くんは元から白い方だけれど、今は更に顔が真っ白だった。
そのせいもあってか、授業は少し早めに切り上げられて、そのまま帰りのホームルームになった。
いつもは羊と一緒に帰るのだけれど、今日は委員会がある日だから、私は先に帰る。
「カナちゃん、明日ね」
「うん。ばいばい」